『なんで自分はあの人に好かれないんだろう?』
『なんであの部下、後輩は私の言うことを聞いてくれないんだ?』
と頭を抱えている上司、先輩のみなさまへ、
どうすれば人望を得ることができ、どうすれば人は動くのか、
その答えと解決法を、具体的に解説していきたいと思います。
明日から出来る簡単な方法ばかりで、テクニックもほとんど必要ないので
ぜひ実践してみて下さい!
目次
【人間は感情によって動いている】
まず、『人間は全て感情によって動いている生き物』だと知ることが大事です。
これがどういうことか、例を見てみましょう。
『この人に言われてもなあ。。。』
といった感じで、正論を言っているにも関わらず、
なぜか相手のことが信じられなかったり、許せなかったりした経験はないでしょうか?
これは、
『どんな正しいことを言われても、感情が同意していなければ受け入れない』
という人間の特性のせいなんです。
人間の感情は喜怒哀楽様々ですが、その中から、
『こういう感情を感じたい』という欲求が、人間にはあります。
だからこそ、自分が求めている感情を得られる場所や人に集まったりするわけです。
つまり裏を返すと、人の欲求を満たすことが出来る人になれば
多くの人が集まってきて、自然と人望と影響力を得ることが出来ます。
【人間が満たしたいと思っている欲求】
それでは、『人が満たしたいと思っている欲求とは何だ?』という話になりますので
5つの階層に別れている、人間の欲求と言うものを見ていきましょう。
『生理的欲求』
まず一番の下の階層にあるのが『生理的欲求』です。
これは生きていく上で最も必要な欲求で、具体的にいうと
『眠いから寝たい』
『お腹すいたからご飯を食べたい』
といったものです。
『安全の欲求』
2つ目は『安全の欲求』で、危険が及ばないか、攻撃されないかといった、
安全を求める欲求なんですが、身の安全だけでなく、心の安全もここに含まれます。
心の安全というのは、
『精神的に守られたい、安心したい』
といったもので、具体的にいうと
『SNSの誹謗中傷などから攻撃されないようにしたい』
といった欲求のことです。
『所属と愛の欲求』
続いて3つ目が、『所属と愛の欲求』と呼ばれるものです。
『誰かと一緒にいたい』
『人と関わっていたい』
といった、特に新しいコミュニティに入りたての方が持つような欲求です。
『承認欲求』
4つ目はあの有名な『承認欲求』です。
『新しく繋がった人から自分の存在価値を認めてもらいたい』
『皆からすごいと思われたい』
といった多くの方が強く持つような欲求のことです。
『自己実現の欲求』
最後の5つ目が『自己実現の欲求』です。
『夢を叶えたい』
『目標を達成したい』
といった自発的な気持ちのことです。
以上の5つの欲求が人間の中に存在します。
Point
【安心感と自己重要感】
5つの欲求のうち、出来るだけ多くの欲求を満たしてあげることで、
人が集まってきて、人望も影響力も強くなるのです。
5つのうちの次の3つは、私たちがコミュニケーション、言葉の伝え方の中で、満たしてあげることが出来ます。
『安全の欲求(心の欲求)』
『所属と愛の欲求』
『承認欲求』
『心の欲求』と『所属と愛の欲求』はどちらも、『安心したい』という思いが根底にあるので
「安心感」という言葉でまとめます。
そして『承認欲求』には、『自分は価値がある存在なんだ』という
「自己重要感」を得たい気持ちがあります。
つまり、『安心感』と『自己重要感』をコミュニケーションの中で
相手に感じさせてあげれば、人の心は動くということです。
それでは、どうすれば感じさせてあげることが出来るのか、
その具体的かつ簡単な方法を、それぞれ見ていきましょう。
【安心感を感じさせる方法】
まずは『安心感』を感じさせる方法を、次の通り2つご紹介します。
『何があっても否定しない』
『最後まで話を聞く』
一つずつみていきましょう。
『何があっても否定しない』
一つ目は『何があっても否定しないこと』が重要です。
人が何か言ったことに対して、真っ向から否定してくる方がいますが、それは最悪です。
相手がどんな意見を言ったとしても、まずは受け止めなくてはなりません。
例えば、部下に
『オフィスの中で喫煙出来るようにすべきです。』
と明らかに間違った意見を言われた時に、ダメな人は
『そんなわけないだろ』
とまず否定から入ってしまいます。
反対に安心感を与える人は、ここで否定をせずに
『なるほど』
『どうしてそう思うんだ?』
とまずは意見を受け入れる所から入ります。
そうすることで相手からすれば、
『この人は自分の言うことを聞いてくれてる』
『受け入れてくれてる』
と感じることが出来るので、安心感を与えることになります。
しかしその一方で、
『上司の仕事は間違った意見を正すこと』
と思われる方がいます。
この考えは大きな間違いなので、気をつけてください。
結論から言うと、意見を正すのではなく、意見が間違っていることを本人に気付かせることが重要なんです。
先ほどの例に戻って見てみましょう。
なぜオフィスの中で喫煙したいか、部下に聞いた時に
『休憩で喫煙所まで行くのが遠くて、時間ロスだから』
と言われたとします。そしたら、
『なるほど。そういう見方もあるのか』
と言った感じで、相手の意見を受け入れた後に、
『喫煙出来るようにした時のデメリットって何だろう?』
と相手に意見を求めることが重要です。
そしたら相手は考え初め、
『オフィスの空気が悪くなる』
『タバコ苦手な人が働きにくくなる』
などなど、自分の意見を客観的に見て、間違いに気づくことが出来ます。
人間は人に言われてではなく、自分で気づくことで行動する生き物なので
気づかせるだけで、人を動かすことが出来てしまうんです。
また、意見を求められることで
『自分を頼ってくれてる』
『自分は価値がある存在なんだ』
と後ほどお話しする『自己重要感』も得ることが出来ます。
Point
これが出来るか出来ないかで差がつく!
『最後まで話を聞く』
安心感を与える方法2つ目は、『最後まで話を聞くこと』です。
先ほどの『否定しない』に少し似ていますが、
人間は自分がまだ話終わっていない時に意見を言われたら、耳を傾けようとしないし、頭に入っていきません。
反対に、最後まで話を聞くことが出来るだけで、相手には
『話を聞いてもらえてる』
と感じさせることが可能となります。
ただ聞くという非常に簡単な行為だけで、大きなリターンを得ることが出来ますので
これが安心感を与える上で、一番の近道だと思います。
この『最後まで話を聞くこと』と、『否定をしない』の2つは
明日から使える安心感を与えるテクニックなので、ぜひお試しください。
【自己重要感】
続いては、もう一つの欲求『自己重要感』を感じさせる方法についてお話します。
今回は次の2点をご紹介します。
『褒めること』
『役割を与え、発表させること』
一つずつみていきましょう。
『褒めること』
『自己重要感』を感じさせる方法一つ目が『褒めること』です。
褒めることで、『あなたのことを認めてます』と教えることが出来ます。
例えば、プロジェクトを成功させたら、
『〇〇君のリーダーシップのおかげで成功したよ』
『〇〇君が真面目に、取り組んでくれたからだよ』
と相手を褒めまくることが大事なんです。
Point
人格や人柄を褒めた方が、相手により大きな影響を与えます!
それでは、部下や後輩が失敗したらどうするか?
結論から言うと、失敗したとしても褒めることが重要なんですが、
これにはテクニックが必要で、次の順で話すことが大事になってきます。
褒める→アドバイス→褒める
まず最初に褒めることで、相手は『受け入れてくれてる』と感じるので
耳を傾けてくれる状態にさせたところでアドバイスを与えます。
そして、人間は出来事の最後の印象で左右される生き物なので
最後にまた褒めて印象をよくさせる。
この流れで話すことが出来れば、相手が失敗した中でも
『自己重要感』を与えることが出来ます。
例えば、プレゼンで何かミスをした部下に対しては
次のようなコミュニケーションが理想的です。
理想的な伝え方
『パワポの完成度が高くて、努力したのがすごい伝わった』(褒める)『ただ、もう少しデータの根拠を用意した方がもっとよかったかも』(アドバイス)
『とはいえ話し方もよくて、皆耳を傾けていたよ。助かった』(褒める)
この順番でただ話すだけで、相手としては『自分は価値がある存在。認められている』
と感じることが出来るので、自己重要感が一気にUPします。
自己重要感を与える魔法のフレーズです!
『役割を与え、発表させること』
自己重要感を感じさせる方法2つ目が、『役割を与え、発表させること』です。
経験がある方もいらっしゃるかもしれませんが、
何か大きな仕事を与えられた時は、『自分頼りにされている』と感じることが出来ます。
また、仕事が終わった時に人前で発表させることが重要で
何を発表させるかと言うと、『どうやってその仕事を成功させたか』についてです。
その成功はどんな些細なものでも構いません。
例えば、
『頻繁に取引先にメールをしたことで、この案件はうまくいきました。』
『電話を一本入れたことで、お客さんに褒められました。』
といった感じで人前で発表させた上で、それに対して褒めることが大事です。
『安心感を与える方法』の時と少し似てますが、これをすることで
発表する側は自分が教えている立場になって、『自分は価値がある存在』と実感できるし
何がよかったかを自分で気づくことも出来るので、自発的な行動に変わります。
その上で、発表を聞いている側も、
『些細なことでも褒められるんだったら、自分もそういう扱いを受けたい』
と思うようになり、行動も変わってきます。
このように発表の時間を設けるだけで、人を動かすことが出来てしまうのです。
Point
以上が、『自己重要感』を感じさせる方法です。
【まとめ】
今回お話ししたことをまとめますと、以下の通りです。
・人を動かすための人望を集めるには『安心感』と『自己重要感』を感じさせる
・『安心感』を感じさせるには、最後まで話を聞いて、否定しない
・『自己重要感』を感じさせるには、褒めて、役割を与え、発表させる
以上のことが出来ていれば、部下や後輩だけでなく、
上司、取引先、好きな異性などあらゆる人間から好かれやすくなるので
ぜひ実践してみてください!
皆さんのためになっていれば嬉しいです。